こころねレター

箱庭を使って整理してみる

2023.05.28

箱庭づくりの流れ

砂箱の中に作品を作っていきます。箱の中の砂を自由に形作り、棚のフィギュアを並べていきます。

成人でだいたい平均15分から20分ほどかけて完成しますが、時間は気にせず作成いただきます。

向きが決まっていて、箱の手前に立っていただき、そこから見るものが作品になりますので、あちこち移動して作ることを控えていただきます。

無理にたくさん置く必要はなく、「出来上がり」と思った時が完成です。

 

作品が一体何になるの?

ふつうにみると「作品」です。

ありのままの「物」になります。

ここから、「心の中」に入っていきます。作品が「物」ではなくなるわけです。

実は、この作品は作者の「今の気持ち」を表現したもので、ただ、ある「物」としてとらえるだけでは何も変化は起こりません。

さらに、作品だけを分析しても個別的な気持ちを表現することはできません。

つまり、個別的なセッションにつなげるためには、その人の「言葉」が必要になります。

カウンセラーと一緒に話すことで、「物」だと思っていたものが別のものに変化します。そして、それが何であったのか見えるようになります。

 

気づきを日常の生活に活かす

セッションを通しては、気づきから今後どうしていくかという方針まで見えることがあります。

それは、自分自身で気づき、内省することによって、道が拓けていくようです。

目標をもって進める日常は、何も気づけなかった日々に比べどれだけ充実したものになるでしょう。

しかも、個別的です。自分だけの箱庭セッションは、他の人が実施することはできないさらには、自分だけの道しるべと言っても過言ではありません。

 

評価に使う

自分自身で決めた道しるべにそって行動する・・・。そうすると、評価が必要になります。

その際再度箱庭セッションを受けてみるのです。

つまり、箱庭は変化するのです。前と同じものは、意識しなければ作れません。

逆に言うと、前と同じ箱庭をつくるということは、変化していないという可能性もあります。

でも、それにも意味があるのです。それを一緒に見出し整理していくこともできます。

 

どうやってわかるの?

箱庭セッションを受けたことがない人は、まず「怪しい」とお感じになるかもしれません。

実は全く怪しいものではありません。

なぜかというと、「箱庭の作品」をツールにしてカウンセリングを実施しているだけだからです。

砂箱を各領域に分けて分析する方法は、多くの事例検討を通して研究された結果であり、信憑性があると同時に、決してその通りではない、各個人の声による分析が加わり、その人だけの結果となるのです。

逆に言うと、形だけにこだわってしまうと、「その人の分析」ではなくなってしまいます。

セッションをするカウンセラーの柔軟な感性が大きく左右するものと考えられます。

 

「そうである」「そうではない」に気づくことの重要性

分析結果が「そうじゃないな・・」と感じた時、その気づきがとても大事で、それを声に出して表現するかしないかで、セッションの動きは大きく変わります。

「当たっている」「当たっていない」というものが箱庭セッションではなく、あくまでも作品と作者の声で完成するセッションであるということを知っておいていただけたらと思います。